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福井県神道青年会(ふくいけんしんとうせいねんかい)

「御祖祭」(みおやまつり)

福井市板垣の福井刑務所で、当会の恒例事業である「御祖祭」(みおやまつり)が午後1時より恙無く斎行されました。

御祖祭とは、福井刑務所(刑期10年未満で犯罪傾向が進んでいない男性受刑者を収容する刑務所)に収容されている受刑者が、奉仕する神職の手によって斎庭の神籬に降神された受刑者ぞれぞれの故郷の産土の神々に対し、誠の祈りを捧げる神事であります。

平成30年度の御祖祭は、斎主を当会会長の新田義和(藤嶋神社宮司)以下、山本副会長(毛谷黒龍神社禰宜)、藤井理事(白山神社禰宜)、位坂理事(八幡神社宮司)、寺本会員(気比神宮権禰宜)、宮田事務局長(神明神社権禰宜)の6名が掛し、奉仕にあたりました。

当日、午前11時に県神社庁に集合し福井刑務所へ向かい、玄関入口で手荷物を保管金庫に預け、厳重な警備体制のなか刑務官の方に斎場の講堂へとご案内をいただきました。

斎場に到着後、それぞれ祭壇、神籬、神饌、忌竹、しめ縄、祓具等舗設し、事務局長の典儀に併せ祭儀の打ち合わせを致しました。

祭儀執行10分前に控室廊下へ整列し、伶人をご奉仕賜ります大瀧雅楽会(福井県雅楽会)様が先に斎場へ入り雅楽奉奏のスタンバイをしていただき、3分前雅楽の調べとともに神職奉仕者が参進入場しました。

揖(ゆう ※笏を持ち上体をやや前に傾けてする礼)し斎場へ入るなり、ピンっと背筋を正した受刑者らがしめ縄の張られた講堂ステージ上の神前へ真向いで着席しており、その真中とシンと張りつめた空気の中を神職はただ神前に向かい参進しました。

斎主以下祭員が自座に著き、初めに修祓、降神の儀、献饌、祝詞奏上、大祓詞奏上、神楽朝日舞を奉奏、斎主玉串拝礼、参列者玉串拝礼に刑務所職員代表併せ被収容者列拝、次に教誨師の県神社庁金岡庁長(木田神社宮司)が参拝、撤饌、昇神の儀、当会新田会長が受刑者に対して挨拶をもって滞りなく御祖祭が執り修められました。

今年、神前に奉納する朝日舞は新田会長自らが舞人となり受刑者の健康や健全な社会復帰と、またその故郷の安泰と刑務所職員方々の生業の安寧を祈念し奥ゆかしく奉納されました。

平成17年度の御祖祭から参加させていただいておりますが、福井刑務所での教誨活動において、セキュリティーは当時に比べて今はかなり厳重になったように感じますが、祭壇等の大型準備物を事前にトラックで取りに来ていただいたり、祭壇や祭具関係を斎場のステージまで運んでいただいたりして、神職奉仕者の体力的負担軽減をはかるべく協力的に歩み寄っていただている福井刑務所の職員の方々などに対し、深く感謝を致したいと存じます。

御祖祭の当時と今を振り返って思えば、この御祖祭に限らず当会の様々な活動においても、徐々に会員が少数になっても工夫して人員の確保と伝統の継承を行うにはお互いの理解と信頼が一番大事であると感じております。御祖祭においては、神職としてどんな局面でもどんな参列者でもどんな時代でも、その時の参列者が納得でき先輩らが続けてきた形から崩れない神事が遂行できるようにすることこそ継続であり、そうするためには日々の神明奉仕の積み重ねとお互いの信頼関係が本当に祭りの雰囲気のすべてを語り、その上で斎主の読み上げる祝詞が受刑者や職員の方々の心の中に溶け込んでゆくものであると理解しております。

これからも一緒に活動する仲間を信じあって、だわをおこさず、仲間に嘘を付かず、見下さず、いつの世になってもただひた無垢に我々にしかできない世のため人の為を、若き福井県神道青年会の会員にもこれからもずっと信頼関係を深くしながら続けて貰いたいと願います。

そんな風に腑と福井刑務所の御祖祭で、みんなで大祓を読みながら思った移ろいです。


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毛谷黒龍神社禰宜 山本祥嗣 拝


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by fukuishinsei | 2018-07-18 09:25 | 活動の報告 | Comments(0)