2016年 03月 09日
創立65周年・記念酒献納事業 記念酒「折鶴」仕込み作業
この記念酒の名前は「折鶴」と決まり、先日の醸造祭を終えてから本格的に醸造に取り掛かりました。当日は午前7時半に吉田酒造に集合し、杜氏さんを始め、酒蔵の方々からご指導を受け、普段節することがない作業に会員一同なれない手つきでありながらも心を込めて仕込み作業に取り組みました。
作業内容は、はじめに「引込」(ひきこみ)という、蒸米(蒸しあがった酒米)を麹室という温度・湿度が厳密に管理された部屋に広げて寝かして放冷させました。また、一時間に一度は蒸米を裏に返して全体が均等に冷めるように手入れします。蒸米が冷めるまで寝かしている間に、次に蒸す酒米の「洗米」を行いました。酒米の水の吸水量にもよって味や質などが大きく変化するため、時間を図りながら秒単位での作業となりました。そして「床付」(とこつけ)となります。「引込」の後、放冷させていた蒸米に杜氏さんが種麹をふりかけ、全体に馴染ませるように麹もみをしてから、最後に中央に山盛りにして布や毛布を掛けて保温状態にして寝かせました。午後からは「出麹」(でこうじ)という、事前に「床付」を終えて麹が仕上がった蒸米をほぐして麹室から出す作業を行いました。数日寝かしたのち、機械を使用して細かくし、さらに手作業で細かくしていきます。
それを酒用のタンクの中に袋吊りで入れていき、宮田京会長の手で「櫂入れ」(かいいれ)をしてゆっくりと心を込めてかき混ぜていきました。協力してくださった吉田酒造さんはこのように効率よく酒造ができるように日程を綿密に組んでくださり、また酒造に携わったことのない会員のために熱心にご指導してくださったおかげで順調に作業が進みました。
普段何気なく口にしている日本酒ですが、初めて酒造りという経験をさせていただいて、酒蔵の人たちが手間暇かけて丹精を込めた作業によって、今日御神前にお供えすることができるとともに、私たちもおいしくいただけることができ、とてもありがたいことであると思いました。この記念酒「折鶴」が素晴らしい日本酒となるよう会員一同心を込めて仕込み作業に取り組みました。
【通信員 氣比神社 禰宜 角鹿尚文】