2011年 07月 25日
7月の勉強会・浴衣会
神社には古くから受継がれる文書や宝物の資料が数多くあり、その一つひとつは自身の管理の仕方によって価値や形相が保たれるのです。先生には特に、掛物・巻物・保存箱・屏風・襖・書籍・典籍・古文書の取り扱い方について、実物を使い、わかりやすく丁寧に説明して戴きました。資料の管理は本当に難しく、神経を使わないと直ぐに駄目になってしまうことがわかり、又、気温や湿度だけでなく、ゴキブリ等の害虫、マーガレット等の花にも充分注意し、周りの環境も大事だと知りました。それから、今回の東北地方の震災のように、もしも資料に水が付いたり、泥などで汚れてしまった場合の応急処置や修復方法等も学び、決して簡単に歴史資料を処分してしまわぬ様、気を付けなければならない。本当に一見すれば紙くずやゴミのようにみえるものでも、実際には貴重な歴史資料である場合があるそうです。このように、資料は年月が経てば必ず価値が上がり、子や孫に連綿と受継がれ、歩みを伝承する貴重な物となるので、如何に大切に保存出来るかが肝心だと思いました。個人的に次回は、金属や木や漆等の保存の仕方もご講義頂きたいと思いました。
それから、今回の勉強会は毎年恒例となりました、浴衣会を片町の「わらび」さんに於いて併せて行いました。普段素敵な浴衣を持っていながら、なかなか着る機会が少ない我々青年神職が、一足早く浴衣を着て出歩くことによって、周りの人々にも日本の良き伝統文化を教化し、夏の到来を知らせ風情を味わってもらう大事なひとときでございます。美味しい和食を頂きながら、お酒を飲み交わし、楽しい時間は瞬く間に過ぎていきました。
【八幡神社 宮司 位坂伸昌】